長野県演劇人の戯曲集、第一弾2冊の販売を開始しました。小諸市「わかち座」の黒岩力也さんと、飯田市「素数会」の市瀬佳子さんの戯曲集です。
黒岩力也 戯曲集
小諸市出身・在住の黒岩力也さんは、社会人になってから演劇を始めました。最初は、野沢南高校のOGがつくった佐久市の「劇団 木炭自転車(すみちゃり)」に加わり、2002年に『ブルー・スプリング』という戯曲を初めて書きました。退団後、「うつむきカゲン」「スチールウール」などの劇団に関わりながら、別役実さんの作品に触発され、書いたのが『カナリア』。この作品で、第9回劇作家協会新人戯曲賞を受賞しました。最近は、奥さんの司白身(つかさしろみ)さんと、「わかち座」として、ダンスや映像を組みあわせた、パフォーミングアートを発表しています。音楽も自分でつくるようになりました。ブルーベリー農家として、直売店で収穫物を販売するかたわら、その直売所を使っての、公演にもチャレンジしています。
- きゃべつ(2003)
- カナリア(2003)
- ヒマワリさんと帽子君(2007)
- 体はうごく、地図はうつくしい、ぜんぜん驚かない。(2009)
- 悶絶ゲート(2012)
- なんか恋愛とか(2018・未上演)
『黒岩力也 戯曲集』では、日常に材をとった初期作品から、不条理劇、そしてアートへと変化してゆく、自由な広がりを感じてください。長野市のネオンホールが毎月出しているフライヤー『ネオントーク』に連載された、短編小説もオマケで収録しました。
Homepage: わかち座
市瀬佳子 戯曲集
飯田市出身・在住の市瀬佳子さんは、愛知県長久手での大学時代に、劇作を始めました。長久手町(のちに長久手市)が主催する「戯曲セミナー」に通い、はせひろいちさん(劇団ジャブジャブサーキット)に師事しています。日本劇作家協会が責任編集の季刊『せりふの時代』(現在廃刊)が募集した短編戯曲に『喉仏マロンす』が入賞し、「劇王」という短編演劇の上演イベントで、決勝まで進出しました。「最強の一人芝居フェスティバル INDEPENDENT」でも、『看板の娘』が大阪での本拠地公演に招待されています。地元の飯田市で「素数会」を主宰し、「戯曲読み合わせ会」などもおこなっています。
- コンクリートアニマルは塩味(2005)
- 喉仏マロンす(2009)
- かぜおよぐ(2013)
- ヒバリ、ふたたび(2018)
- 夜明けにくれた(2019)
- 看板の娘(2019)
- ラストオーダー(2019)
『市瀬佳子 戯曲集』は、短編戯曲集です。20分程度で、出演者は数名です。舞台は日常的な、身近な空間が多く、装置や照明も、大がかりなものはありません。シンプルですが、チョットした演劇的なアクセントが入るのが、市瀬作品の特徴です。手の届きやすい世界なので、いろいろなかたが、収録作の上演を試みていただけると、嬉しいです。
Facebook: 素数会
価格は、各1,100円(税込)です。
当劇場で扱っております。