支配人紹介

この度、長年支配人を勤めてきた堀内博氏が、定年により勇退いたしました。

代わりに永高英雄氏が4月より支配人に就任いたしました。

 

永髙氏は「まつもと演劇連合会」の会長、そして今年で22回となる「まつもと演劇祭」の副実行委員長を長年勤めてきました。さらに自身が主宰する劇団「シアターTRIBE」の作・演出を手掛ける、松本小劇場演劇の草分け的存在です。

松本演劇界のホームグランドであるピカデリーホールの保全にも演劇連合会として尽力されてこられました。

 

永高支配人にインタビュー

― 演劇と関わる起点となったのは?

学生時代は演劇には全く興味ありませんでした。むしろ敬遠していました。(笑)

松本に帰ってきて広告代理店で働くようになり、仕事で「松本現代演劇フェスティバル」の設営を行いましたが、その時も全然(笑)。

ただその時にすでにピカデリーホールの堀内支配人には出会っていたんです。

その後、第5回演劇フェスティバルに誘われて行って観た「新宿梁山泊」のあがたの森でのテント公演が初観劇でした。

凄まじく面白かったです。衝撃を受けましたね。

この世界観はなんだろうと。

演出もさることながら、パワフルな役者の表現力の高さ、見るものすべてに圧倒されました。

これをぜひやりたい!と思い、仲間と立ち上げたのが最初の劇団モノリス。

演劇のことなどまったくわからない真っ白な状態から、手探りで勉強していきました。

当時は演劇ワークショップなどないし、小劇場演劇を教えてくれる人などいません。

独学と見よう見真似で、創作活動を続け、2年かけて初公演に漕ぎ着けました。

一度公演活動をしてからは、いろいろな繋がりもでき、仲間も増え、その後2001年「劇団 The猿ロマン」を結成。東京下北などで公演したりもしました。

劇団員の増減などで2011年、今の「シアターTRIBE」に至ります。

DEAD END Boogie
DEAD END Boogie
― ご自身の演劇に対するスタイルは?

少し前まではただ面白ければいいと。(笑)

そんな感じで楽しい芝居を作りたいと思っていました。

3年前の震災後あたりからガラッと作風が変わりましたね。

今起きている事、社会的なテーマを取り上げるようになりました。

年に一度は公演するようにしています。

舞台の美術にもこだわっているのでぜひ一度ご覧になってください!

 

あ.gain
あ.gain
あ.gain
― 第20回のまつもと演劇祭には出演されませんでしたが…

今回から松本の劇団だけじゃなく、出演劇団の半分を他の都市から招待しました。

「まつもと演劇祭」といっても、仲間内の劇団ばかり出ていたのでは進化がありません。

松本を演劇の街として、さらに高いレベルに発展させるには外からの刺激が不可欠です。

それも、東京、大阪といった大都市の有名劇団じゃなく、私たちと同じように地方都市で活動している創作集団と交流することが重要だと思っています。

楽園工場
― まつもと演劇祭のスタンスは?

演劇祭はたくさんありますが、他と大きく違うのは、その街の人間がそこで創作していて、主体となって活動しているということ。

この時代、地域の団体が自由に表現活動できるのは稀なことです。

今回のような地域間交流を続けていれば、小演劇の街・松本としてブランディングできる。

演劇が飽和状態の東京などから文化表現活動の場を求め、演劇人の逆流が起こせると考えています。

全国の演劇関係者の中で「松本の演劇シーンが熱い」「松本で芝居がしたい」といったムーブメントが起きると思うとワクワクしませんか?

松本は演劇界のイニシアティブをとれる潜在力を秘めていると思います。

ただ、問題点もあります。

ありがたいことに参加劇団や観客も増えてきているのですが、その芝居をする小屋がないこと。小さな会場では収容できなくなってきています。

機甲街
機甲街
― ピカデリーホールの存在意義も変わってきましたか?

すでに有名ですよ。県外の劇団からも。(笑)

こんなホール、他にないですからね。使いやすいし、演劇にマッチしているし…。

この年季も趣があります。

そして何より、コミュニティとしての存在が大きい。ここに人が集まる、情報が集まる、関係が築ける。地方都市間の演劇交流の拠点です。

まつもと演劇祭は、ここピカデリーホールなくしては語れないですから。

県外から来ても、ピカデリーホールとまつもと演劇連合会のバックアップがあれば、すぐにでも公演できますよ。

― 最後にメッセージをお願いします。

とにかく若い人たちにもっとピカデリーホールを活用して、松本を盛り上げてもらいたいですね。演劇だけじゃなく、大学サークルやライブイベントなどでもいいですし、ご当地アイドルや、芸人さんの活動でもいい。

私たちも、ここはホームグランドですから協力は惜しみません。

今も、保守保全に尽力しています。

一緒にピカデリーホールを盛り上げましょう!

一度、気軽にホール見学に来てみてはいかがですか?

これからの演劇、アート、サブカルチャーは松本が発信基地になります!

ピカデリーホールがその聖地になっていきます!

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